大阪大学人間科学研究科

セミナーなどの情報

国内セミナー

「魅力ある大学院教育」イニシアティブは、現代社会の新たなニーズに応えられる創造性豊かな若手研究者の養成機能の強化を図るため、大学院における意欲的かつ独創的な研究者養成に関する教育取組に対し重点的な支援を行うことにより、大学院教育の実質化(教育の課程の組織的展開の強化)を推進することを目的としています。その活動の一環として、今年度は国内より専門家を招いて講演会を開催します。

第1回大学院GP国内セミナー

日時:2006年7月6日(木) 15:00-17:00  
場所:大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)東館2階 ユメンヌホール
講師:岡本祐三氏(国際高齢者医療研究所 岡本クリニック院長)
講演タイトル:介護保険制度創設の背景と深層−日本の高齢者医療・介護問題と家族神話−

講演要旨:
戦後最大の社会保障改革のひとつといわれ、国際的にも評価の高い介護保険制度は、戦後日本の急速な社会変化に対応できなかった日本の医療政策と家族神話の矛盾の解決策として、歴史的な必然性をもって導入された。当時老人医療の危機とされていたものが、実は社会福祉の危機であることを現場からの研究活動を通じて明らかにしてきたが、画期的な制度の成立事情を,現場からの視点と当時厚生省の諮問委員として制度設計に関わった立場から解説したい。

第2回大学院GP国内セミナー

日時:2006年7月10日(月) 17:00-19:00 
場所:大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)東館2階 ユメンヌホール
講師:金森修氏(東京大学大学院教育学研究科教授)、小泉義之氏(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)
講演タイトル:「遺伝子/テクノロジー/生」

講演要旨:
※遺伝子管理社会論におけるさまざまなテーマを討議し、テクノロジーと生の問題について考えます。討議を中心にしますので、出席者は、事前に金森氏の『遺伝子改造』(勁草書房)、小泉氏の『生殖の哲学』(河出書房新社)に目を通しておいてください(これらの書籍は大学院GP推進本部で貸し出していますので、必要な方は申込先メールアドレスへお問い合わせください)。なお今回のセミナーは、大阪大学人間科学研究科学生を対象とし、講演、特定質問者2名(久保明教氏・本研究科人類学博士課程在学中、竹田恵子氏・本研究科文化社会学博士課程在学中)による質疑応答の形式で進行します。

第3回大学院GP国内セミナー

日時:10月27日(金)15:00-17:00
場所:本館31講義室
講師:友永雅己(京都大学霊長類研究所 助教授)
講演タイトル:「チンパンジーの心を探る—比較認知発達的アプローチ─」

講演要旨:
チンパンジーの心を知ることによってわれわれヒトの心の一般性と特殊性が明らかになる。このような視点は「比較認知科学」と呼ばれるが、さらに一歩すすめて、「発達する心」そのものを比較するという視点が必要である。今回の講演では、チンパンジーの社会的認知の発達をひとつの事例として、「比較認知発達」研究の醍醐味とその展望について紹介していきたい。

第4回大学院GP国内セミナー

日時:11月9日(木)15:00-17:00
場所:東207講義室(ユメンヌホール)
講師:根ケ山光一 (早稲田大学人間科学部 教授
講演タイトル:「身体と行動発達:サルとヒトをつなぐ視点としての発達行動学」

講演概要:サルとヒトの比較およびヒトの文化比較をもとに、子どもの行動発達を身体から人間科学的に論じる。特に「母子関係」と「子別れ」に注目する。

第5回大学院GP国内セミナー

日時:11月10日(金) 16:00-18:00
場所:東207講義室
講師:佐藤 学(東京大学大学院教育学研究科教授)
タイトル:「私の教育研究、これまでとこれからー学校改革を支える教育学研究」

概要: 「私の教育研究の歩みを振り返りながら、教育問題の解決に貢献する教育学の在り方について検討したい。教育の現実から学んだこと、教師から学んだこと、子どもから学んだこと、他領域の専門家から学んだこと、そして国際的な協同研究をとおして学んだことを具体的にお話ししたい。」

第6回大学院GP国内セミナー

日時:11月13日(月) 15:00-17:00
場所:105講義室
講師:吉本哲郎(水俣市立水俣病資料館 館長)
タイトル:「みんな元気になぁれ−三つの元気 三つの経済−マチや村の元気をつくる地元学って何?」

概要:あるものを探して、新しく組み合わせること、作る力をつくること、自分でやれる力を身につけること。地域や町づくりに加えて物づくり、生活づくりを進めていきたい。

第7回大学院GP国内セミナー

日時:11月30日(木) 15:00-17:00
場所:105講義室
講師:石井正子(京都大学地域研究統合情報センター 助手)
タイトル:「人道支援と地域理解:インドネシア・アチェ州における緊急・復興支援を中心に」

概要:2004年12月末に発生したスマトラ沖地震・津波により、インドネシア・アチェ州は、壊滅的な被害を受けました。この講演では、映像などをもちいて、同州でいち早く活動をはじめた国際NGOの支援事業を紹介します。事業の効率的な運営と同様に、支援を受ける社会や人びとへの理解が大切であることを、具体的にお話します。

第8回大学院GP国内セミナー

日時:12月6日(水) 16:30−18:30
場所:207講義室
講師:苅谷剛彦氏(東京大学大学院教育学研究科 教授)
タイトル:「教育の実証研究はどこまで現実に関われるか」

概要:私は教育の社会学的研究に従事してきました。とくにこの数年間は、教育改革や教育政策と密接に関わるテーマについて、実証的な研究を重ねてきました。そして、その結果をもとに、多様なメディアを通じて<現実>と関わろうとしてきました。教育の専門的研究者、とりわけ、実証的な社会科学的研究をベースとした研究者には、何ができるのか、何ができないのか。研究成果のもつ社会的意味(悪影響や無影響を含めて)は何か。「象牙の塔」から抜け出たときの教育研究者の役割や立ち位置について、皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。

第9回大学院GP国内セミナー

日時:3月6日(火)14:00−16:00
場所:ユメンヌホール
講師:斉藤環氏(医療法人 爽風会佐々木病院 精神科診療部長)
タイトル:「脳はなぜ心を記述できないか」

概要:脳科学ブームの昨今、脳で人間の心や社会が説明できるかのような言説がまかり通っている。しかし実際には、現時点での脳科学は、人間の心や行動を整合的に説明できる学問たりえてはいない。精神医学者アンリ・エイは、脳の障害と精神症状との間にギャップがあることをふまえて「器質-臨床的隔たり」と呼んだ。この指摘はいまこそ有用である。「階層性-非階層性」をキーワードとして、脳科学による心の解明において、設定されるべき限界について述べる。

国際セミナー
第1回国際セミナー
「Empowerment Evaluation: building a Learning Organization(エンパワーメント評価〜学びながら発展する組織づくりのために〜)」
チラシ(PDF)、レジュメ(PDF)、報告
 エンパワーメント評価プログラムを開発したスタンフォード大学フェターマン教授による「エンパワーメント評価(Empowerment Evaluation)」に関するセミナーを開催いたします。エンパワーメント評価とは、個別のプロジェクトや政策の実施に際して、当事者自身が目標設定を行い、個と組織の活動成果を高めあうために開発された評価手法です。エンパワーメント評価は、1)ミッション(組織の使命の明確化) 2)トーキング・ストック(既存資源の確認) 3)未来への計画作りの3段階から構成されます。
 エンパワーメント評価プログラムは、その効果の高さと利用の至便性から、世界中で注目を集めつつあります。本セミナーでは、フェターマン教授から、「エンパワーメント評価」アプローチによる組織活動の評価過程と活動当事者と組織の力づけ(エンパワー)に関するお話をいただき、学術研究とフィールド実践の連動をどのように図ることができるのか、「実践する研究者」の姿について、みなさんとともに考える機会を持ちたいと考えております。   
日時:3月3日(金) 10:00〜17:30(開場9:00〜)
場所:大阪大学中ノ島センター 10階(佐治敬三メモリアルホール)
7階(第3会議室)プログラム:10:00〜12:00 エンパワーメント評価についての講演会
12:15〜14:00 Fetterman教授を囲んでの昼食パーティ
14:30〜17:30 エンパワーメント評価ワークショップ(大学院生対象)
講演者:Dr. David M. Fetterman
教育・医療人類学博士。スタンフォード大学大学院教育学研究科教授。同大「政策分析・評価プログラム」ディレクター、アメリカ評価学会会長等を歴任。スタンフォード大学教育学部と医学部で教鞭をとる傍ら、米国教育省、疫病対策予防センター(CDC) 等政府機関や財団向けに評価コンサルティングを実施。米国国内、南アフリカ等でもデジタルディバイド(情報技術格差)改善プロジェクトなどを展開し、マイノリティグループの健康資源へのアクセス格差をなくす活動などを世界中で行っている。

第2回GP国際セミナー
テーマ:日米の介護評価をめぐる課題〜オレンジカウンティにおける実践活動から〜 

米国オレンジカウンティで、Orange Caregiver Resource Center(OCRC)を立ち上げ、ファミリーカウンセラーとして実践活動に当たっているDr.Colemanからの介護評価に関する講演です。実践活動・研究活動からのスピーカーの報告を交え、日米の介護事情と介護負担感の現状について、評価方法等を中心に、ともに広く意見交換の時間を持ちたいと考えています。

日時:7月17日(月・祝) 14:00〜16:30
場所:大阪大学人間科学研究科 東館105号室
使用言語:日本語 (英語)

第3回国際セミナー
"Academic Writing Seminar:アクセプトされる英語論文の書き方"海外の英文雑誌にアクセプトされるには・・?

英語雑誌にアクセプトされるには、研究内容の充実とともに、英語論文の“作法”を知る必要があります。これから海外の学術雑誌への投稿を考えている方を対象に、3 日間のAcademic Writing Seminarを開催します。Abstract の書き方や、説得力のある論文構成、査読のシステムなどについての講義とワークショップです。

日時:2006年 9月12日(火)・13日(水)・14日(木)  10:00~17:00 (最終日は16:30): 受付 9:30〜
場所:人間科学研究科 東館207号室・106号室
使用言語:英語(1日目の講義のみ通訳付)

Academic Writing SeminarHow to get a paper published in an English language academic journal Are you at that stage in your studies where you need or would like to get a paper published in an overseas journal?
We are running a series of seminar/workshops for students who would like to get paper published in English language journals.
Date: 12 (Tue), 13(Wed), & 14 (Thu) September,2006, 10:00 〜 17:00 (16:30 on last day)
Venue: Graduate School of Human Sciences,
East Wing: Room 207 & 106
Language: English (with Interpretation on first day)

第4回国際セミナー
レナート・ロザルドウ講演会「物語、真実、フィクション——民族誌的分析を省みる」

大阪大学大学院人間科学研究科の大学院GPプログラムでは、現代の文化人類学を代表する世界的研究者であるレナート・ロザルドウ博士をお招きし、下記の講演会を開催いたします。(チラシA4

■ 講師
レナート I. ロザルドウ Jr.博士
(スタンフォード大学ルーシー・スターン社会科学教授/文化社会人類学部名誉教授、ニューヨーク大学人類学部教授)
■ 演題
「物語、真実、フィクション——民族誌的分析を省みる」
"Stories, Truth, and Fiction: Reflections on Ethnographic Analysis"(英語講演)(日本語による要旨説明つき)
■ 日時
2007年 2月12日(月・祝) 13:30〜16:30
(参加無料・事前予約不要)
■ 場所
グランキューブ大阪(大阪国際会議場)会議室1202(12階)
大阪市北区中之島5丁目3番51号
06-4803-5555(代表)
http://www.gco.co.jp

■ 講演内容
「創造的なノンフィクション」として捉えた民族誌において、ナラティブ(語り)がもたらすディレンマを考えたい。三つの歴史的検証を行う。�ナラティブがナラティブとして認められず、ほぼ無意識的に用いられ周辺的に位置づけられた時代(1957年まで)。�ナラティブが認識を助ける道具として、あるいはひとつの理解のかたちとして、ないし社会分析の一形態として意識的に用いられる時代(1970年代後半以降)。�ナラティブが真実を主張するという問題自体について研究することになる時代(1990年代後半以降)。この三番目の問題については、明瞭な答えはないにしても疑問を整理することはできるから、ここにわれわれの注意を集中する必要がある。

■ 講演者略歴
レナート・ロザルドウ教授(Professor Renato I. Rosaldo, Jr.) 1941年アメリカ生まれ。1971年にハーバード大学で博士号。1970年スタンフォード大学助教授、1976年准教授を経て、1985年に教授となった。アメリカ民族学会会長、スタンフォード大学人類学部長などを歴任。現在スタンフォード大学ルーシー・スターン社会科学教授、文化社会人類学部名誉教授、ニューヨーク大学人類学部教授。アメリカ芸術科学アカデミー会員。東南アジアやアメリカ合衆国でのフィールドワークによる人類学や民族誌のほか、カルチュラルスタディーズやラテンアメリカ研究においても世界的に著名である。フィリピンでの現地調査に基づく『イロンゴットの首狩り  1833年−1974年(Ilongot Headhunting 1883-1974: A Study in Society and History, Stanford University Press, 1980) や編書『グローバリゼーションの人類学』(Anthropology of Globalization: A Reader, Blackwell's, 2001)などは、それぞれの分野で大きな影響を与えてきた。とくに『文化と真実——社会分析の再構築』(Culture and Truth: The Remaking of Social Analysis, Beacon Press, 1989 椎名美智訳 日本エディタースクール出版部 1998年)は、人類学と文化研究と文化教育の根本を揺るがした。ロザルドウ教授は詩人としても知られ、メキシコで出版された詩集 『蜘蛛の女への祈り』 (Prayer to Spider Woman/Rezo a la Mujer Arana , 2003, Saltillo, M exico: Icocult) に対し、2004 年の American Book Award( アメリカ図書賞) が合衆国で与えられている。今回の講演終了後、自作の詩の朗読をしていただく予定。